RESEARCH


研究室はどんなところ?

できたてほやほやの新しい研究室です。研究をすすめることができるように環境を整えているところです。学生さんの見学はいつでもウェルカムです。中根までお気軽にご連絡ください。

「微生物」や「光学顕微鏡」について、詳しくないけれど、これから勉強してみたいという方も歓迎します。自主的に勉強ができるように、たくさんの本も用意しています。前所属のボスから、格好良い赤いソファー(私物)もいただきました。ここで研究の議論をしましょう。

研究室は「微生物」を培養するための機器が並んでいます。-80℃に保存された超低温冷凍庫から微生物を取り出し、恒温器で培養します。たくさんのバクテリアを持っているので、テーマが重複することもありません。どのバクテリアの研究をはじめたいか、みなさんの希望と相談しながら独立したテーマを決めていきます。

培養したバクテリアは、光学顕微鏡で観察します。何を測定したいのか、何を見たいのか、やりたいことそれぞれでセットアップがかわります。みなさんのテーマにあわせて、装置をカスタマイズすることも研究の楽しみの1つです。

測定によっては、装置に工夫を加えます。装置に自分自身で触れて、よく理解して実験をする。時間のかかることですが、このプロセスがとても大事です。光学部品もそろっているので、自分だけの特別な顕微鏡を考えることも可能です。

興味を持った方は、是非、研究室まで尋ねに来てください。

研究室の扉には、微生物の写真などを飾っているので、一目瞭然です。


どんな研究をしているの?

微生物の動きを研究しています。

中根研は、2020年10月に立ち上がった生命科学系の研究室です。1ミリの1000分の1ほどの小さな生物を眺めることで、生命科学の新しい世界を紐解くことに、日々挑戦しています。光学顕微鏡をちょっと工夫して、一緒に観察しませんか?生命の秘密を解き明かすことができます。

We are interested in how bacteria move. 

Movement is a fundamental attribute of all living organisms. Many bacteria swim freely in a fluid with a rotation of flagella filament. On the other hand, some tiny organisms have developed several varieties of cell motility without flagella. These mysterious movements have been very attractive to many researchers for long time. But it had remained unclear how bacteria move without flagella, and what is the machinery for cell propulsion. Recent advance on the visualization techniques of optical microscopy provides us dynamic behaviors of molecular machineries at a single cellular level in detail. 

これらの Movie は私が撮影した「微生物の動き」です。

Flavobacterium johnsoniae   戦車のような仕組みで這う細菌です。

Mycoplasma mobile & Mycoplasma pneumoniae  小さな細菌です。流れに逆らって動きます。

Synechocystis sp PCC6803 & Thermosynechococcus vulcanus  スパイダーマンのように「糸」の伸縮で動きます。

Spiroplasma eriocheris   自分の体に「ねじれ」をつくって泳ぎます。べん毛がないのに動けます。

Burkholderia insecticola & Campylobacter jejuni  べん毛を体に巻き付けて「ドリル」のように進みます。


微生物、特に細菌(バクテリア)の動きは実に多様で、なぜ・どのように動くのか、わかっていないことがたくさんあります。私たちは、光学顕微鏡をつかって、細菌 1個体や運動装置 1ユニットがどのように動くのか、マイクロ・ナノスケールでの「動き」や「かたち」のイメージングすることで、これまで誰も見たことがない微生物の新しい世界を覗き、新しい研究領域を開拓することに挑戦しています。

私たちの研究成果は新聞などでも取り上げられています。また、これまでにいくつもの学術雑誌で表紙にも選ばれています。


一緒に研究しませんか?

今から350年前、レーウェンフックは⼈類で初めて微生物を発⾒したと言われています。この時代、生命科学は十分に発達しておらず、微生物の純粋培養さえ確立されていませんでした。では、なぜ彼は微生物という小さな生物が “生きている” と認識できたのでしょうか?この理由の1つは「動き」にあります。彼が自作した顕微鏡は解像度が高く、微生物が動き回る様子を直接その目で観察することができました。彼は、1滴の池の水の中に無数の微生物をみたのです。これは、微生物の発見であると同時に、その動きの発見でもありました。

では、微生物はどのような仕組みで動くのでしょうか?実は、これがよくわかっていません。微生物の動く仕組みといえば、微小管とダイニンまたはアクチンとミオシンといった細胞骨格とモータータンパク質による力発生や、もっと原始的な細菌の場合には「べん毛」というらせん繊維による回転力発生が一般的かもしれません。ところが、これらでは説明できないような「動き」もたくさん存在し、その多くが未解明のまま残っています。この「変わった」運動は、特に多種多様な細菌から観察されており、たくさんの研究者を魅了しています。

みなさんも一緒に研究してみませんか?


これまでお世話になった研究費

  1. 科研費 学術変革領域 (B)  微生物が動く意味 計画班 代表
  2. 科研費 基盤研究 (C) 代表
  3. 科研費 新学術領域 情報物理 公募 代表
  4. 科研費 若手研究 (A) 代表
  5. 科研費 新学術領域 運動マシナリー 公募 代表
  6. 科研費 スタート支援 代表
  7. 科研費 特別研究員奨励費
  8. 野口遵研究助成金
  9. 精密測定技術振興財団 調査・研究助成
  10. 内藤記念科学振興財団 次世代育成支援研究助成金
  11. 光科学技術研究振興財団 研究助成
  12. 加藤バイオサイエンス振興財団 研究助成(優秀賞)
  13. 長瀬科学技術振興財団 研究助成
  14. 中島記念国際交流財団 日本人若手研究者助成金
  15. 日揮・実吉奨学会 研究助成金
  16. 上原記念生命科学財団 研究奨励金
  17. 旭硝子財団 研究奨励
  18. 内藤記念科学振興財団 記念特定研究助成金
  19. 発酵研究所 一般研究助成
  20. 内藤記念科学振興財団 奨励金・研究助成

受賞

  1. 2024年 日本微生物生態学会第37回大会 優秀発表賞(M1 横濱さらら)
  2. 2024年 日本微生物生態学会第37回大会 優秀発表賞(M2 島田佳季)
  3. 2024年 21st IUPAB Congress 2024, Student and Early Career Researcher Poster Award(D1 上村直輝)
  4. 2024年 第20回21世紀大腸菌研究会 優秀口頭発表賞(D1 上村直輝)
  5. 2024年 Future Technologies from KUMAMOTO 第14回 マイクロ・ナノ工学シンポジウム 優秀講演論文表彰(M1 島田佳季)
  6. 2023年 日本微生物生態学会第36回大会 Young Scientist Multidisciplinary Award(M2 吉岡青葉)
  7. 2023年 日本微生物生態学会第36回大会 Rising to the Challenge Award(M2 上村直輝)
  8. 2023年 第61回日本生物物理学会年会 学生発表賞(M2 吉岡青葉)
  9. 2023年 ThermusQ高度好熱菌研究を切り拓くネオテクノロジー 最優秀ポスター賞(M2 上村直輝)
  10. 2023年 第17回細菌学若手コロッセウム ASM Best Poster賞(M2 上村直輝)
  11. 2023年 Gordon Research Conference [Animal-Microbe Symbioses] Poster Award(M2 吉岡青葉)
  12. 2023年 第96回日本細菌学会総会 優秀発表賞(M1 上村直輝)
  13. 2022年 日本微生物生態学会 第35回大会 最優秀ポスター賞(M1 上村直輝)
  14. 2022年 日本微生物生態学会 第35回大会 優秀ポスター賞(M1 吉岡青葉)
  15. 令和3年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞(中根大介)
  16. 2017年 日本生物物理学会 若手奨励賞(中根大介)
  17. 2015年 日本細菌学会 黒屋奨学賞(中根大介)
  18. 2010年 井上科学振興財団 研究奨励賞(中根大介)
  19. 2010年 国際マイコプラズマ学会 Louis Dienes Award(中根大介)
  20. 2010年 日本マイコプラズマ学会 ベストプレゼンティション賞(中根大介)

所属学会

日本生物物理学会、日本細菌学会、日本微生物生態学会、米国微生物学会